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default ひでこ(制作者)

2019年04月30日 10時41分

薬のやめどき   

一生飲まなければならない薬などないー本「薬のやめどき」の紹介

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ほとんどの薬にはやめどきがあるということ、「薬のやめどき」についての研究はないことについて、書かれた本を紹介します。

ただ、「死ぬまで飲めるのであれば、飲んでいい薬、つまり、やめどきがない薬」の中に睡眠薬が入っていることには驚きましたが、それが今の医学界の現状の常識なのだと改めて感じ、その点に関してはとても残念に思いました。

「睡眠薬」「抗不安薬」に関しての内容には不満を感じる部分もありますが、「一生飲まなければならない薬」などないことがよくわかる本だと思いました。

出版社のブックマン社 WEBサイトから内容説明と目次を紹介します

薬のやめどき - ブックマン社
https://bookman.co.jp/smp/book/b382887.html

(引用ここから)
内容説明
本邦初の「薬のやめどき学」。「高血圧の薬」「糖尿病の薬」「コレステロールの薬」「骨粗しょう症の薬」「睡眠薬」「抗不安薬」「抗生物質」「胃腸薬」「抗認知症薬」……
薬が増えるたびに、体調が悪くなっていませんか?薬には必ず副作用がある!
多剤投与になれば、副作用は無限に増える!しかし、医療には「やめどき」という概念があること自体、ほとんどの医者が知らない。
いや、考えたこともない領域なのか。みんな始めることばかり研究している。
本書は「薬のやめどき」から、長生きと健康について指南した本である。

目次
プロローグ
第1章 あなたが飲んでいる薬のやめどき
第2章 薬をやめて体調がよくなる、元気になる人がたくさんいる!
究極の選択
あとがき
「やめどき」を考慮するべき薬物もしくは使用法のリスト(長尾版)
(引用ここまで)

著者の長尾和宏氏は、医学博士で、ご自身でも病院を経営しておられ、一般社団法人 日本尊厳死協会副理事長や日本慢性期医療協会理事、関西国際大学、東京医科大学の客員教授などをされている方です。

本の一部ご紹介させていただきます。
(引用ここから)
第2章 薬をやめて体調がよくなる、元気になる人がたくさんいる!

15.「薬のやめどき」は誰も研究していなかった!〜エビデンス主義という病〜

医療には「やめどき」という概念があること自体、ほとんどの医者が知らない。いや、考えたこともない領域なのか。みんな始めることと続けることばかり研究している。薬のやめどきの具体的なタイミングや、あるいはやめ方などに関しては誰も研究したことがない領域である。いや、領域という言葉を使うだけでも怒られるかもしれない。

というのも私が「薬にはやめどきがある」を主張していると、よく「エビデンスを出せ」と怒る医者がいるからだ。また、“エビデンス“という言葉の意味を知らない新聞記者ほど、この言葉を多用する傾向がある。“エビデンス“という言葉をまるで金科玉条のように信じている。

エビデンスの有無ではなく、エビデンスレベルで考えるのが基本中の基本である。

エビデンスレベルが高いと認められているのは、比較対象群をAとBのふたつに無作為に分けて、A群B群のどちらが試験薬でどちらが偽薬(プラセボ)かわからないようにして、効果を比較するRCT(=Randomized Contorolled Trial:無作為化比較試験)だ。被試験者(薬を飲む人)だけでなく、試験者(研究者)たちも自分が扱っているのが試験薬なのか偽薬なのかを隠した二重盲検試験で行う。

P199 図より エビデンスレベルのピラミッド 5階層(Level 1が一番高い)
Level 1 複数のRCTのメタアナリシス
Level 2 RCT(無作為化比較試験
Level 3 コホート比較(非ランダム化比較試験
Level 4 症例対照(ケースコントロール)研究
Level 5 専門家委員会の意見、権威者による臨床試験

RCT(=無作為化比較試験)によって得られた複数の研究の結果を統合して、統計解析するメタアナリシス(メタ解析)を経たものが、もっともエビデンスレベルが高いとされている。エビデンスとは決して「絶対的な証拠」とか「宇宙の真理」などではない。「確率に基づいた仮説」くらいに考えておいた方がいい。

人間を対象にした臨床研究において、エビデンスと呼ばれるものはそうした“真理“と決して同列ではない。。「確率に基づいた仮説」にすぎない。エビデンスは十分参考にはなるけれども、決して絶対的な真理ではない。またエビデンスが示せないものはみんなダメというということにはならいことをご理解頂きたい。

だから本書の主題である薬のやめどきに関しては、本来なら「やめた人」と「やめなかった人」をRCT(=無作為化比較試験)で検討しなければいけないのだが、日本ではとても実施できない。

下町で総合診療を掲げる臨床医として、生活習慣病も、がんも、認知症も、誰よりもたくさんの患者さんを診てきたつもりだ。しかし能力がないため、うまくデータ化できないけれども、薬をやめたり、減らしたことで、明らかに良くなる患者さんが多数いることをお伝えしたい。
(引用ここまで)

第2章には以下の15項目について書かれていて、大変興味深く、参考になりました。
⒈薬を全否定するのではなく、「やめどき」を考えよう
⒉後期高齢者(75歳以上)の5人に1人は、10種類以上の薬を処方されている異様さ!
⒊薬には必ず、「副作用」がある多剤投与になれば、副作用は無限に増える!
⒋なぜ薬は増えるのか ー 医療界の事情
⒌副作用を抑えるために、さらに薬が増えていく臓器縦割り医療は「あら探し」医療だ!
⒍お薬ムラとお薬利権
⒎クスリは、リスク ー 睡眠薬で認知症になる?
⒏波紋を呼んだ良書『薬は5種類まで』
⒐「老い」を受け入れられない人は、薬をやめられない!
10.国民皆保険制度がいかに幸福なことかを知ろう
11.厚労省も“さすがにマズい“と動き始めた⁉︎
12.認知症の薬は、減らすと国からペナルティ?
13.医学部教授が薬の宣伝マンに⁉︎
14.ガイドライン医療ってなんだ⁉︎
15.「薬のやめどき」は誰も研究していなかった!〜エビデンス主義という病〜

第2章 9.には、以下のように書かれています。
「薬は効果が実感できるものとできないものがある。いずれにせよ、薬に対する本音は医師にハッキリと告げてほしい。「じゃあ、やめときましょうか」と医者がすぐに引っ込めるようであれば、つまりその薬は、たいして必要ない薬だということだ。」

医者のいうことを鵜呑みにせず、まずは自分で「薬のやめどき」を考えてみることが重要だと思います。




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